こんなニュースを目にした。
ライブホール「Zepp」金沢進出 若者集客見込む:日本経済新聞
2019年3月現在、東京にZepp TokyoとZepp Divercity、愛知・名古屋にZepp Nagoya 、大阪にZepp Namba、Zepp Osaka Bayside、福岡にZepp Fukuoka、北海道・札幌にZepp Sapporoを展開しており、2020年夏には東京・羽田にZepp Hanedaをオープン予定とどんどん展開していくZeppホールネットワーク。
当初は、定借の土地を利用していたこともあってか、2010年代半ば頃に一度撤退ラッシュが起きていたけれど(大阪やら福岡やら)、別の土地で再度運営を開始していたりもしたので、次にオープンするなら2012年にクローズしたZepp Sendaiの復活かなあ、なんて思っていた。
予想は外れ、まさかの未進出だった北陸エリア、しかも金沢というチョイス。
現地の人にはどう映るのかわからないが、個人的には絶妙だな……と思った。
なんでそう思ったのか、個人的な意見を下記にまとめてみようと思う。
目次
金沢には、2000キャパのハコ(会場)がない
金沢にアーティストがライブをしに来る、と行ったときに思いつくハコ。
ライブハウスだと
- 金沢AZ(300人)
- 金沢EIGHTHALL(500人)
ホールクラスだと
- 金沢市文化ホール(899人)
- 石川県立音楽堂・コンサートホール(1560人)
- 本多の森ホール(1713人)
- 石川県産業展示館(2号館 1900人、1号館 3600人)
アリーナクラスだと
- 石川県産業展示館(3号館・4号館 7000人)
といったところが出てくる。(抜け漏れあったらすみません)
こうして並べてみたときに、勘が良い人は気付くはずだ。
金沢は、石川県産業展示館の2号館と1号館の間、2000人クラスのハコがない空白地帯だということに……。
もっと言うと、いわゆる「ライブハウス」(=オールスタンディング)を主戦場とするロックバンドたちがライブをやろうと思ったときには、AZしかEIGHTHALLしかない。3桁キャパ、それも500人がMAXだったのだ。
もっとも、石川県産業展示館2号館でやろうと思えばできないこともないのだろうけど、体育館みたいなところなのでステージを1から組まないといけないし、音楽専用のホールではないので、音響的にもどうなのだろう…とも思うし、あまり現実的ではないのだろう。あまりそこでライブをやっているアーティストやバンドは見かけない気がする。(あくまで自分の見ている範囲では、だけども)
ここで、Zeppの登場だ。(まだ仮称もついていないようだけど、ここから先は便宜上Zepp Kanazawa(仮)と呼びます)
ロックバンドのツアーの組み方が変わる気がする
Zepp Kanazawa(仮)ができると何が変わるのか?
ロックバンドが「Zeppツアー」と銘打ったツアーを行うときに、開催箇所が1箇所増える可能性がある、というのはわかりやすい予測される事象だが、それ以上に北陸地方のライブの打ち方が少し変わるのでは?と言う予感もしている。
今まで、北陸地方でメジャーアーティストがライブハウスツアーを打とうとすると、問答無用で新潟県が開催場所として選ばれていたはずだ。
新潟県のライブハウスというと…
- NEXS新潟(400人)
- 新潟LOTS(700人)
あたりだろうか。
こちらもまた、4桁キャパのライブハウスは存在しない。
新潟LOTSでライブをやるとチケット争奪戦が熾烈になってしまう……というアーティストが北陸地方でライブをやろうと思ったときに、Zepp Kanazawa(仮)を選ぶ可能性が出てくるのではないだろうか?
余談:ツアーの日程の組み方も変わる?
新潟県は東京駅からのアクセスが便利で、上越新幹線に乗って1時間40分〜2時間弱で移動することができる。
そのため、アーティストも開演時間の設定の仕方によってはライブ当日にそのまま新幹線で帰ることもでき、利便性は抜群だ。
全国7箇所、もしくは10箇所程度のライブツアーとなると、結構な頻度で「新潟」という地名を見つけることができるのではないだろうか。
7箇所もしくは10箇所程度でのツアーを組む場合、東京・名古屋・大阪・福岡・札幌…の5都市に追加で、仙台・新潟・広島・高松あたりの都市が入ってくることがわたしの肌感としては多い。
これぐらいの規模でツアーを回るアーティストは1度の移動でできるだけ多くの土地を回れるように行程を組むことも多いような気がしている。
そうなると、広島は大阪〜福岡の行程の中で回ることができるが、その他の土地は「わざわざ」組まないと行けない行程。
新潟も、東京から「新潟でライブをするために」移動をしなくてはいけない土地で、一度の旅で他のところに寄ったりができない土地だ。
(小さいハコをドサ回りするようなアーティストは合間で熊谷入れたり、高崎入れたりしながら徐々に北上していくのだと思うけど…)
ここでZepp Kanazawa(仮)が選択肢に入って、北陸シリーズに金沢を選べるようになると、少し動きが変わるような気がわたしはしている。
東京から車で移動しようと思うとかなり距離があるように思う金沢だが、実は大阪から車で移動すると4時間程度でたどり着くことができる。
そうなると大阪〜金沢〜(新潟)〜東京、というツアー行程を組むことも可能なのではないだろうか。(もちろん、東京スタートで北上して北陸を横断して大阪に出ることも可)
このあたりは、わたしの憶測で話している部分も多いので、あくまで「余談」レベルだが、ツアーの日程の組み方にも少し動きが見られるような気がしている。
北陸新幹線開業後、首都圏からのアクセス利便性が向上する金沢
2015年3月の北陸新幹線開業後、東京の人にとって石川県金沢市は体感距離がぐっと近くなった。
それまでは、羽田空港から小松空港に飛び、30分強かけてリムジンバスで金沢駅に出る。もしくは、東京駅から新幹線で越後湯沢駅に出て、そこから特急はくたかに乗って約4時間かけて移動する…という少し面倒か、時間をかけて移動するかしか選択肢がなかった。
それが、北陸新幹線の開業により、2時間半、大阪に行くのと同じぐらいの所要時間で乗り換えをせずに行けるようになったのだ。
新幹線で移動ができる、となると、やはり人が集まるようになる。
金沢市周辺の観光客数は、開業前の2014年と2017年のデータを比べると21.1%も増えているそうだ。
人が集まるようになったら、イベントをやっても集客ができる。
ライブ・コンサートの類で言えば、「いい日程」でイベントのブッキングをすることさえできれば、Zeppクラスでライブをするようなアーティストであれば熱狂的なファンが東京や特急サンダーバードで比較的容易く移動できる関西圏からも足を運び、動員を確保することができる、という読みなのではないだろうか。
ちなみに、Zepp Kanazawa(仮)はどこにできるの?
先ほど出典した日本経済新聞の記事によると、Zepp Kanazawa(仮)の建設場所は下記の通り。
金沢での開設地は、現在開発が進んでいる西金沢駅の周辺となる予定。日本たばこ産業(JT)の工場跡地で大和ハウス工業がマンションの開発を推進しており、土地の一部を西松建設が取得してライブホールを建設。
日本経済新聞
この言葉から恐らくZepp Kanazawa(仮)はこのあたりに建設されるのではないかと思う。
JR北陸本線 西金沢駅の目の前、駅との距離感的には仙台にかつてあったZepp Sendaiを彷彿とさせる。ターミナル駅の隣駅のすぐそば、という立地条件でいうと仙台PITに似たような感じも…。
しかし、Google Earthで見ると驚くほどに何にもない。
最寄りのコンビニですら徒歩3分のところにしかない。
これから開発しようとしているエリアなので、当然といえば当然なのだが、Zepp Kanazawa(仮)と一緒に何らかのテナントビルができるのか、それとも何にもない場所にいきなりZeppがでーんとそびえ立つのか……このあたりの動向は気になるところである。
個人的には、せめてZepp Nagoyaみたいに周辺に小腹を満たすものが買えるぐらいのコンビニやお店は欲しいところ。
(冬の北陸。寒い時期の開場時間前に避難する場所もほしいところ…)
Zepp Kanazawa(仮)ができたら、どこに泊まるのが良い?一番近いホテルはここ
だいぶ気が早いけど、新しいライブハウスができるとなったら、ついその周辺エリアの利便性も気になってしまう遠征民のわたし。
Zepp Kanazawa(仮)ができたら、どのあたりのエリアに泊まるのが良いかな?と考えてみた。
一番距離的に近いホテルは、アパホテル金沢野町かな。
アパホテル金沢野町

西金沢駅はJR北陸本線の駅なのですが、すぐ目の前に北鉄石川線の新西金沢駅がある。野町駅は、新西金沢駅から電車で5分。
終電が22:40ごろなようなので、終演時間に注意!ではあるが、近年需要の増加に伴い、金沢駅や栄えている香林坊付近のホテルの価格が上昇しているので、少し離れた野町駅あたりは値段とZeppへの利便性を考えたら穴場かもしれない。
ちなみに野町といえば、すぐそばににし茶屋街もあるので、ライブの前後に古都金沢の風情ある街並みを楽しむことも可能。
香林坊や金沢駅まではバスで移動するのがおすすめ。バスの本数も多いので、交通に不便を感じることはないかなと…!
距離的に一番近いところをご紹介しましたが、ライブが終わった後に飲み歩きたい!という方は香林坊周辺に泊まるのがおすすめ。
西金沢駅西口から香林坊行きのバスが出ているので、所要時間約20分ぐらいで移動が可能。(21時台が終バスなようなので、時間には注意!)
次の日朝イチで帰らないと…という方は、JR北陸本線で金沢駅に出て、金沢駅前で泊まるのが良いかな、と…。
まとめ
「Zeppが石川・金沢にできる」というニュースを、個人的に多方面から分析し、1記事にまとめてみました。
開業は2020年以降とまだ曖昧な公示なので、オープンがいつになるかは定かではありませんが、ミュージシャンのライブツアーの日程の組み方やライブツアーの会場チョイスにも変化が出そうなので、引き続き動向を伺っていこうと思います。
地方にこういったイベントスペース(ハコ)ができることで、その土地に遊びに行く機会が増えたり、自分の好きなミュージシャンやアーティストたちがライブを新しい土地でやる機会を得たり、新しいお客さんと出会えるチャンスが増えたりするのは、楽しみですね。
新しい情報をキャッチ次第、随時追記していこうと思います。
(※2019年3月14日時点の情報をもとに記載しています)